特徴① 日本の伝統と文化を重視した編集

 歴史や国語ではなく、道徳の教材で日本の伝統や文化を大切にするというのはどういうことでしょうか。それは、歴史的に受けつがれてきた「日本人の心」をきちんと学ぶことだと思います。

 

「日本人の心」とは何でしょうか。例えば、古くは聖徳太子の「和」であり、古典に見られる「正直」であり、武士の「勇気」や「献身」であり、そして皇室の「慈愛」などが思い浮かびます。編集委員会では、そこからさらに踏み込んで、こうした様々な素晴らしい心に貫かれている根本的なものとして、「清明心」を挙げました。(

 清明心とは、私利私欲をもたない、曇のない清らかな心です。純粋であるがゆえに、善悪を正しく判断することができ、人々のために尽くそうという姿勢がうまれます。

 残念ながら、近年では私利私欲によって引き起こされたと思われる事件を日々メディアで目にします。しかし一方で、はからずも東日本大震災の被災地の人々の姿に日本人に確かに引き継がれている「清明心」を数多く見出すことが出来ました。この心をきちんと次の世代にも伝え広めることが『はじめての道徳教科書』の大きな役割と考え、そうした観点から掲載されている作品は選ばれました。

 

 

特徴② 人物の生き方に学ぶ

13歳からの道徳教科書』から引き継いで、『はじめての道徳教科書』でも、たくさんの偉人を取り上げています。中江藤樹、夏目漱石、乃木希典といった日本の歴史的人物を中心に、松井秀喜やノーベル賞を受賞した山中伸弥教授、フランクリンや、黒人初のメジャーリーガーのジャッキー・ロビンソンなど、古今東西の偉人伝から厳選したお話が掲載されています。

 一般的な小学生の道徳の教材は、内容も身の回りの生活に関する話題が多く、偉人伝の割合は少なくなっています。しかし、先人の生き様を知ることが、道徳を学ぶということの原点だといえます。

 残念ながら戦後の道徳教育では大人の価値観やルールをおしつけることへの批判から、現代の子供たちの主体性のみが重んじられて、先人たちが培ってきた文化や国民性の継承が軽視され続けてきました。

『はじめての道徳教科書』では、自分の生きる指針となるモデルが見つけられるように、多くの偉人を紹介しており、そこには先人の姿勢・行動・もののの考え方などを積極的に真似てほしいという思いが込められています。